vegan-support-BiNatureenの日記

昔話「カラスに運ばれて」1


踏まれてこそムギ!



むか~しむかし
あるところに
果てしなく続く
麦畑があったとさ
ある日の昼下がり
一羽のふっくらした
カラスが
南から飛んできて
その畑の真ん中に
何かをポトっと
落としたとさ
次の瞬間
今度は
やせっぽちのカラスが
西から現れた
やっぱり
畑の真ん中で
何かをポトっと
落としたとさ
それからというもの
次々と
色々なカラスが
色々な方向から
飛んできて
同じように
畑の真ん中で
何かを
落としていったとさ

一方麦は
そんなことは
お構いなしだ
ぐんぐん
大きくなって
緑の地平線を作り
風が渡ると
大きくうねって
嬉しそうに
踊っていたとさ

やがて
麦が黄金に
実るころ
麦の根元から
何やら
ゾロゾロでてきたと
それらはみんな
鬼の子で
麦が刈られる前に
どこに行くか
決めなきゃならん
うかうかしていると
角が出てきてしまう
その前に
住処を決めた者は
一生角を
隠しておける
急げ急げ

一番
はしっこい子は
さっさと
村一番の
お金持ちの家の
戸口に転がった
そのころ
赤ん坊は
戸口に転がってる
もんじゃった
村のあちこちに
赤ん坊の声が
響いた
村人も
心得たもので
麦が実る前に
子供が家に
やってくるので
みんな
楽しみに
耳をそばだておった

それから
数日をかけて
カラスが落とした
鬼の子は
みんな
村の誰かの子となった
鬼の子は
村人の子に
なった瞬間
自分が鬼の子だと
忘れてしまう
頭のてっぺんに
少々
へこんだとこがあるが
まさかそこが
角の生えるとこだなんて
想像だにしない
それに
数か月もすると
そのへこんだとこも
フサフサな髪の毛で
隠れて
な~んもわからなくなる

村の子は
すくすく大きくなって
幼稚園に行って
小学校に行って
高校にも
大学にも行く
自分は
父ちゃんと
母ちゃんの子だと
疑うこともない
時々
反抗期で
本当の子じゃ
ないだろう!
なんて
親に向かって言うが
まさかそれが
あたってるなんて
本人も
育てた親も
思いもしない
かわいい
かわいい
わが子で
愛しい
愛しい
父ちゃんと
母ちゃんなのだ

本当のことを
知っているのは
カラスだけ

(続く)



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