vegan-support-BiNatureenの日記

救われて

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翁草が大きな株になりました!



翁草は
昔この辺りでは自生していた
園芸種と違って
小さな株で
花をつける茎は一本で
花の色も濃いえんじで黒に近い神秘的な花だった

多感なころ
この世のあり方や
自分の醜さ
さらに汚れていくような恐怖
自分がいてはいけないのではないか
ひとりで悩み
この世から逃げようと
なんどか試みた

一回目は
雨の中泣きながら帰ってきたとき
おばさんが傘を差しだしてくれた
少し普通のひととは智慧が遅れているのか何かで
多分この世では真ん中にいない人だった
私は
「あ~行けない」
優しさにさらに大泣きして自分の計画を断念した

2回目は
固い決意で帰るには
あまりに日差しの優しい午後だった
やはり世の中の真ん中にいられない
おじさんが
車の走る時代に耕運機で通りかかり
「乗っていくか」
と声をかけてくれた
また泣いて
計画は頓挫

3回目は
今度こそのものすごい決意だった
持ち物をすべて処分して
誰にも言わず
夜中の2時にかけたアラームとにらめっこをしていた
アラームが鳴った瞬間
身体が動かなかった
ものすごい力で押さえつけられて動けなかったのだ
意気地なしな自分を罵りながら朝を迎えた
そして電話が鳴った
遠い福岡からだった
彼女は夜中の2時
アドレス帳の私の名前と住所をにらみつけていたのだ
その朝私が彼女の話を聞かなければ
彼女がこの世を去っていた

この世には
たくさんの天使がいる
傘をさしかけてくれ
日焼けた真っ黒い手に
花を握りしめてプレゼントしてくれる
耕運機しか運転できないかもしれない天使がいる
この世の不条理に
苦しみながら光を見出そうと
かすかな勘を頼り
苦難の大川を渡る少女がいる
みんなみんな
私の命を救ってくれた天使だ

あなたも苦しいかもしれない
私も苦しかった
ここまで来るまで
なんどもなんどもこれが最後だと
力尽きたと思ったことがある

でも天使たちが
私を生かしてくれた
私に価値があるかないか  
私が気づくずっとずっと前に
天使たちは
静かに温かく
説教するでもなんでもなく
ただやさしさと
信じる思いで救ってくれた

断言しよう


あの時
行かなくて本当に良かった
あの時
知らなかったが
自分の使命はそれはそれは壮大だった

翁草は
天使さんの一人がくれた花だ
世の中の真ん中にいられないかもしれない天使たちを思うたびに
感謝の涙がこぼれる
絶対に忘れない
山の原にひっそり咲く花は神の園からやってきたということを

生きてみよう
生き延びてみよう
そして
いつか
自分が登った山のてっぺんから
どんな風景が見えるのか
それが見えるまで
あきらめないで

一緒に
一緒に
光の手をつないで




♡♡♡

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