ハマナスのおはな
浜梨から転じてハマナスになったそう
真っ赤で大きくてピカピカの実をつける
鳥さんの美味しいご飯
実際
食用としても栽培されている
ビタミンＣが豊富で
実はローズヒップやジャム
花はお茶
根は染料に使われるそうだ
中性脂肪を下げ
整腸作用もあって
抗酸化作用もあって
動脈硬化なども抑制するそうだ
知らなかったな～
こんなにすごい子なんだね
ハマナスちゃんエライ！
根の染料が気になって調べた
秋田八丈の染料だった
秋田黄八丈ともいう
八丈島の黄八丈は有名だが
秋田では
ハマナスの根から
深みのある黄色に渋い赤が混じる
美しい草木染が生まれる
黄八丈と言えば
竹久夢二が描いた女性だ
黒猫を抱いた大好きな絵だ
大好きなクロネコ
大好きな夢二
大好きな着物
大好きな大正という時代
岡山でも夢二を追った
伊香保でも
でも知らなかった
この黒猫が夢二自身だったと
黒船屋と書かれた木箱に
黒猫を抱く美しい女性
この人はお葉というモデルだそうだが
夢二はこのモデルに
モデルとは違う女性を見て描いた
生涯恋多き男だった夢二が
一生離すことなくしていた指輪に刻んだ名はしの
そして
すがるように抱かれる黒猫は夢二
駆け落ちしてまで全うしようとした恋だが
しのは病で先立つ
二十五歳
一回りも年の違うしのに
夢二はその後同じ病でこの世を去るまで
心を捧げ続けた
しのは符丁
本当の名ではない
しのの親は猛反対
２人を引き離そうとする
ある時は彼女を山
そして
自分を川と呼び
ひそかに文を交わす
夢二の絵には他にも黒猫が出てくる
その子も後ろ姿で女性にしがみついている
そして
夢二の絵には山も多い
そうだったのか
夢二の生涯を読んでいたはずなのに
黒猫にも
山にも
深く思いを寄せることがなかった
ただただ
夢二の描く女性が好きだった
着物好きなのも
夢二がものすごく影響している
自分を黒猫に描く男
自分の癖（へき）を十分に理解し
自分の世間からの評価も理解している
ある意味
世間と同じ評価を自分に下していたのだろう
自分を「川」と呼んだのも
ひとところにとどまれない自分
どうしようもない自分
それでも貫く
貫きたい恋があったということか
そして貫いた
ハマナスの花はマジェンタの恋に燃え上がる
大きな妖艶な花だ
けれど一日咲いたら終わり
毎日大きな恋を咲かせる
本気で好きになって
それでも終わる
それが恋だ
しかしその恋は
大きな実となり他の命の中に生きる
根は時代を越えて残る織物となる
本気の恋は
形を変えて
必ずどこかで生き続ける
恋をしよう
自分のすべてを賭けて
思いきり大輪の花を咲かせよう
その花も
神の贈りものだから
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