vegan-support-BiNatureenの日記

思いやりの花

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シクラメンちゃん



シクラメンって
不思議な名前
ギリシア語で
円(circle)を意味する
kuklosからなんだって
球根が丸いから
球根なんだ!
豚さんが食べるそうで
英語では
sowbread
豚のパン
ははは~
和訳では「豚の饅頭」となるそうだ
球根美味しいのかな~

葉っぱからは
想像できないんだけれど
サクラソウ科なんだって
ハート方の葉っぱもすてきね~
ちなみに和名もある
「篝火花(かがりびばな)」
花茎の先に反り返って咲くから
へ~~~~~
すてき~

どうしてそんな風に
咲くかというと
古代イスラエルの第3代の王
ソロモンが
花の形を王冠に使おうとしたとき
花たちに断られて
その時
シクラメン
「私を使ってください」
と恥ずかしそうに
ささやいたのだそうだ
その時から
うつむいて咲くようになったんだって
にゃんだか
かわいいよね~
それで
花言葉
「内気」とか
「はにかみ」
があるんだって

ソロモン王の時代
イスラエルは最も平和で
最も栄えた
知恵で国を治めた王とも呼ばれる
華美に着飾った王が
王冠のデザインにと考えたのに
なぜ花は断ったのかな~
偉いな~
誰も絶対権力者の王にノーなんて言えない
それに言えるなんて
きっと確固とした理由があったんだろう
それをごり押ししなかったソロモンも偉い
だが
シクラメンちゃんはもっと偉い
王に恥をかかせず
栄華を極めた王の王冠のデザインに
はにかみながら納まる
花の最高位に誰にもねたまれずに納まる
知恵者よの~

ソロモン王は
シバの女王がその知恵を試そうと
訪れた時
彼女の難問にことごとく簡単に答えたそうだ
それに感動したシバの女王
たくさんの金や
香料や宝石を贈ったそうだ
近隣諸国と広く交易をし
見事な商才を発揮して
国を反映させたソロモン王
描かれた絵を見ると
女性のように華奢できれいだ
豪放磊落な巨大権力を築いた統治者の
お決まりの姿とは
ちと違う

これだけの知恵と
成功と繁栄と
あらゆるものを手にしながら
この王の末路も
この世の常
諸行無常へと
堕ちていった
人が頭脳を持つとは
そういうことなのだろう
内なる光と
内なる声に従っている間は
内なる王宮の主(あるじ)でいられるが
頭脳の声を聞いた瞬間
主権を失う

例え
王が天の智慧を授かった者で
それを民のために使おうにも
王を取り巻く無数の頭脳もまた
いい仕事をしてくれる
だから
歴史に書かれていることすべてが
真実かどうかもわからない
書き換えられ
加筆され
削除もあるだろう

誰かを傷つけずに
生きることはどれほど困難なことだろう
そしてひとたび傷つけてしまえば
それは
必ずいつか刈り取る実となる
この世に生まれてきたこと自体
その罠の中に生じた種のようなものだ
泥沼に落ちた一粒の種
それが私たちだ
それでも
そこから芽を吹き
頭をもたげ
花を咲かせねばならない
一点の泥のシミすらない花を

ソロモンの申し出を断った花は
そのことを知っている
どんなに隆盛を極めた王の頭にさえ
身を置くレベルではない
おのれの身分を
その王が
どれほどの民を助けていたとしても
一方でそれほどの民の涙を
犠牲にしていたかも知っている
花は花であるとき
与えるだけで誰も傷つけない
花は花であるだけでいいのだ

だから
シクラメンははにかみながら申し出た
花として誰も傷つけないために
全てを手にした王でさえも
花として傷つけないために
花に問うたソロモン
断った花
断りを受け入れたソロモン
はにかみながら申し出たシクラメン

これから豊かに美しく
冬の季節を演出してくれるシクラメン
このホーリーシーズンに
なんてふさわしい花だろう
人々に
どんなストーリーを語ってくれることか
うつむきながら
はにかみながら
思いやりを持って



♡♡♡

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