vegan-support-BiNatureenの日記

舞台役者を生きる

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写真1:ちっちゃいセミちゃん



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写真2:完璧な保護色のちっちゃい蛾ちゃん



セミちゃんは2センチほど
蛾ちゃんは1センチくらい
同じ朴の木に
両方とも成虫になったばかりかな~
かわいいね~~~~
特におめめがね~
そのピカピカおめめに何が見えているのかな

ある夏
それはそれは傷心の夏で
旅に出ようとする私を案じて
学生時代の親友がついてくると言った
死んでしまうのではないかと思ったようだ
コースは福井県若狭湾から越前岬
天橋立に回り
京都
そして奈良のコースだ

旅の最初から波乱含みで
若狭湾での昼食の予定が
友人が乗り込んできた静岡駅になった
台風の大雨で倒木が相次ぎ
大幅に予定が狂った
当時首都圏に住んでいたので
一番早い新幹線に乗ったはずなのにだ

新幹線が停車している間
友人が週刊誌を買ってきた
早速占いを見ている
2人ともたまたま同じ星座で
彼女が叫ぶ
「金運が最高だって!」
あり得ない
これから旅で使いまくるのだから

ところが
米原についたのが遅くなってしまったために
特急券払い戻しになった
ふ~~ん
若狭湾についたら美しい夕焼けだった
海辺に歩く人のシルエットの中に
子どもたちがシャボン玉を飛ばしている
その日のうちに行くはずの越前岬は明日

越前岬は演歌の世界
小説家水上勉さんの世界に触れたかったんだな
確か
水仙の咲く冬の越前岬に行きたかったが
代わりに昼顔がたくさん咲いていた
それを摘んで頭にさして写真を撮った
二人とも最高の笑みでポーズをとったが
出来上がりは「ハゲ丸」!

時効だろうから書いてしまうが
行きも帰りも同じバスで
帰りにバスの運転手さんの真後ろに座った
車窓の写真を撮るためだ
アナウンスをする運転手さんの言葉は
チャーミングな現地アクセント
解らない言葉が混じる
かなり長い道中で
バスがいきなり道脇の広い所に止まった
時間調整か~
アナウンスはない
他にもお客さんがいる
おもむろに走り出したかと思うと
運転手さんが後ろ手で何かを渡そうとした
通路側に座っていた私が受け取った
それはメモで
運転手さんの名前、住所、電話番号、年齢が書いてある!
私は爆笑して通路に転がり落ちた

「後で降りぃ後で降りぃ」
と運転手さん
言われた通り最後に降りて代金を払おうと
一万円札を出したところ
「いいんや いいんや」
と言うではないか!
「え?」
「ダメダメ 払う払う」と押し問答
運転手さんは
「いいんや 今夜電話くれたらいいんや」
ズッコケる
またもや金運?

宿は目の前が海の素晴らしい立地だった
ロマンチック~
と思った瞬間
上半身裸で腰にタオルを巻いた大人数の大男たちが
ワッセワッセとどこからもなく湧いてきて
もうもうと湯気のようなものが立ち込める中で騒いでいる
ものすごく怖くなって二人で部屋に逃げ込んだ
とある大学の柔道部の合宿とぶつかってしまったのだ

友人が運転手さんに絵ハガキを書こうと言い出した
「そうだね悪いもんね」
二人で一枚のハガキにお礼を書いた
彼女は「岬までの楽しい旅をありがとう!」
そう書いたつもりが「畔(アゼ)までの楽しい旅を」
と書いていて
またもや腹を抱えて笑ってしまった
頭のいい子だったのにな~~~

それでも友人は飽き足らず
運転手さんに電話しようと言い出した
え?
それが約束というものだ!と主張
仕方なくついて行った(私が悪女なのか?)
外の公衆電話からかけた
ケータイのない時代だ

運転手さんはいきなり
「わしの嫁になれ」と言い出した
必死で思いとどまるように説得を開始
なぜか私の役割だ
彼は二人のうちどっちでもいいと言う
はぁ~?
まったく違う顔と容姿の私たちにだ
理由を聞くと
「薄化粧がいい!もう家も建ててあるんだ!」
なにぃ~?
更にお断りの説得を続ける

最後は友人の悩み相談になった
実は友人は婚約中で花嫁修業中だったのだ!
運転手さんは
「良き嫁の心得」を延々と友人に述べ
友人は涙をこぼしながら「うんうん」と聞いている
私は海の風の中でシラケて空を仰いでいた

そして夜が明け
もう一度金運が舞い込んだ
この詳細ははぶこう

この旅はなんだぁ?
傷心旅行じゃなかったのかぁ~?

そして最後の奈良
大好きな場所だ
京都も好きだが奈良ののびのびした感じが特に好きだ
何度行っても大好きだ
奈良公園に行った
興福寺五重塔の前で友人が写真を撮りたいと言った
2頭の鹿が八の字に立って草を食んでいる
その間に友人が立って塔が真後ろ
素晴らしいショットだ!

私は鹿にあまり近づかない
トラウマがあったからだ
高校の修学旅行で訪れた時に
グループリーダーの私が鹿せんべいを買った
ものすごく真剣にせんべいを鹿に配る私と
集まった鹿と友人が優雅に笑って記念撮影
それだけじゃない
せんべいがもうないのに鹿の群れは後をついてきて
私の背中をパクッ!

だから近づかないでいた
しかし2頭はとてもおとなしい
その上草を食べていて
私の手にはせんべいもない
安全だ!
ステキな写真私も撮りたいな~
「交代交代!」
と言って鹿の間に立った!
ポーズを決めていると
右側の鹿がグ~~~っと頭を下げた
その瞬間
ひょいっと首を曲げて
こともあろうに
私の足首をパックッ!
スカートだったので生足をかじられた
「ぎゃ~~~!鹿にかじられたぁ~!」
大声を上げる私に
周りの観光客は大爆笑!

それから春日大社に行った
万葉の植物園
もう大好きなお花がいっぱい咲いていた
とてもロマンチックな気分
「万葉のお花と私!」
そう言っては何枚も写真を撮った
そしてそこから帰ろうとした瞬間
ビィ~~~ン!
ものすごい爆音と共に何かが飛んできた
ピッタ!
私の胸の真ん中にどでかいセミが止まった
ギャ~~~~~!
周囲の観光客はまたもや大爆笑!

「ワシャ木か草か!」
取り乱す私に通りすがりの人がさらりと言った
「ここならではですよ」
ナラ?奈良?

な~~んでだぁ?
私の旅はいつもこうなる
爆笑爆笑爆笑だ

神さまは私が気取ることなんて許さない
常にからかってくる
ロマンチックなシーンだろうと
悲しいシーンあろうと
怒っているシーンだろうと
神さまは
「な~~~に深刻こいてんのさぁ~」
と笑い飛ばす

そうだな
そうやって生かされてきたんだ
この世は舞台
精いっぱい演じて去るだけ
さしずめ私はコメディ役者だ
そんなに長い舞台ではない
セミちゃんたちの一生に比べたらほんのちょっと長いだけだ
いっぱい笑って
いっぱい笑わせて
幕引きの瞬間まで
たくさんの植物さんや動物さんと
いっぱいいっぱい笑おう
そして神さまにも笑ってもらおう
一人前のコメディ役者になって




♡♡♡

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